「上げ潮路線」に対する対立軸
─ 民主党月例経済研究会における講演(H19.2.9)
2月9日(金)、午前8〜9時、民主党の財務金融部門勉強会(月例経済研究会)において、民主党国会議員、秘書、政策調査会職員を対象に、上記のテーマで講演を行った。
以下は、その際に使ったレジュメと図表である。
<レジュメ>
1.企業と個人の経済格差
(1)設備投資・輸出・輸入と家計消費・住宅投資の格差(図表1)
(2)企業収益と雇用者報酬の格差(図表2)
(3)給与水準の低迷(図表3)
(4)国民負担の増加(図表4)
2.「上げ潮路線」の背景
(1)小泉政権下の財政大幅悪化(図表5)
(2)05年以降の租税自然増収と公債依存度低下(図表6)
(3)政府・与党の財政健全化計画(図表7)
3.「上げ潮路線」の誤り
(1) 「上げ潮路線」 「対立軸」
目標 経済の成長 VS. 国民生活の向上
指標 名目GDP VS. 家計消費
方法 企業投資の極大化 VS. 「現在の消費」と「将来の消費=貯蓄」から得られる満足(厚生)の極大化
金融政策 超低金利・インフレ・円安 VS. 正常金利・物価安定・円高
税制 企業減税 VS. 所得減税
(2)家計の貯蓄が「効率の悪い企業投資」や「減価するドル資産」に回ったのでは、経済が成長しても「将来の消費」は豊かにはならない。
(3)超低金利が続くことによる円キャリ取引の累積が最後に逆転し、円安バブルの崩壊=急激で攪乱的な円高が発生すれば成長にも国民生活にも打撃
(4)不動産バブルの発生と崩壊のリスクはいつか来た道
(5)超低金利で円建外債市場が発達せず、対外資産を円建資産で持てないために国民の貯蓄は目減り
以 上