藤井財務大臣辞任の真相(H22.1.8)


【辞任の原因は健康だけで他にはない】
 藤井財務大臣の入院、それに続く辞意表明は、年末年始の大きなサプライズであった。彼の病状や辞任の真意について、マスコミではさまざまの情報が無責任に飛び交っている。
 私は、1月7日朝8時からのTV朝日の「スーパー・モーニング」で述べたように、「彼ほどの誠実な男、責任感の強い男が辞めるからには、小沢幹事長との確執で嫌気がさし、投げ出したというような一部マスコミの憶測記事は見当外れで、本当に健康を害して主治医からドクター・ストップが掛ったのだ」と最初から思っていた。
 8日に退院した藤井本人と話をしてみて、私の直感は間違っていなかった。

【暫定税率引き下げ中止は「渡りに船」】
 彼は12月初めから血圧が高くなり、主治医から財務大臣の激職を続けるのは無理だと言われていたようだ。このため、官房長官などに、辞意をもらしていたのは事実である。
 しかし、彼は09年度第2次補正予算に続き、10年度当初予算を閣議決定するまで頑張り抜き、その直後に主治医の病院にころがり込んだ。
 小沢幹事長がガソリン税率の暫定税率廃止を中止するよう、党側の意向を申し入れ、その通りになったので、藤井財務大臣の顔が潰され、藤井氏は嫌気がさして投げ出したなどというのは、民主党政権を潰そうとする一部マスコミのデッチ上げである。
 私の知る限り、藤井氏も、菅氏も、官房長官も暫定税率を廃止しては、歳出規模92兆円以下、国債発行44兆円以下を守ることは不可能だと承知していた。鳩山総理は少し未練があったようだが、関係閣僚は、「誰がネコに鈴を付けるか」「誰が救命ブイを投げてくれるか」という状態にあった。
 小沢幹事長は、閣内のその雰囲気を知った上で、「自ら悪人になった」のである。藤井氏を始め閣内の関係閣僚は、「渡りに船」と飛びついたのが真相である。

【藤井氏は健康回復後閣内に戻る】
 私は藤井氏も小沢幹事長も知っているが、二人の間に現在確執があるというのは、マスコミがデッチ上げた大ウソである、二人は現在、非常に良い関係にある。
 藤井氏が2〜3か月間の静養を経て血圧が正常に戻れば、大臣職は無理であるが、鳩山内閣を支える何らかのポストに就くと思う。それが鳩山、小沢両氏の希望であろうと思う。
 鳩山内閣の顔ぶれは、一般の国民から見ると、大臣としての器量が未知数の人ばかりで不安があるが、その中にあって、藤井氏に対する信頼感はかなり高かった。誠実で責任感の強い藤井氏は、鳩山、小沢両氏の要請を受け、数か月後には、77歳の高齢でもこなせる要職に戻ると私は信じている。