2026年2月版
消費は実質賃金下落の下で冴えないが、設備投資は底固く、輸出の立ち直りから10〜12月期GDPでは外需が成長に寄与しよう

【消費は引き続き不冴ながら、底固い設備投資と輸出の立ち直りが成長の支え】
 景気は緩やかな回復を続けている。12月の「景気動向指数」と1月の「景気ウォッチャー指数」は、いずれも一致指数がやや低下したものの、先行指標は上昇を続けている。12月の鉱工業生産と出荷は前月比やや低下したが、10〜12月期の生産は前期比上昇した(図表1)。10〜12月期の出荷も、国内向け、輸出共に前期比増加した。
 12月の実質賃金は、12か月連続して前年比減少し(図表2)、12月の消費活動は引き続き冴えない。一方、資本財(除、輸送機械)の国内向け出荷(国産品の国内向け出荷と輸入の合計)は、12月の前月比と10〜12月期の前期比が共に増加し(図表2)、設備投資の底固さを窺われる。
 12月の貿易・サービス収支の赤字は拡大したが、10〜12月期の赤字は前期比大きく縮小し(図表2)、10〜12月期のGDP統計では、「純輸出」が成長に寄与する形となろう。

【生産、出荷は引き続き乱高下ながら輸出の支えもあり底固い】
 12月の鉱工業生産は前月比−0.1%とほぼ横這い、出荷は同−1.7%の減少となった(図表1)。しかし10〜12月期をくくって見ると、生産、出荷共に前期比+0.8%の増加となる。また製造工業生産予測調査によると、1月は前月比+9.3%増、2月は同−4.3%減、1〜2月の月平均は10〜12月期平均に比して+5.9%の増加であった。生産、出荷の振れは大きいが、ならして見れば増勢は保たれている(図表1)、生産、出荷に大きな振れをもたらしている業種は、主として輸送機械、汎用・業務用機械・電子部品・デバイスなどである。
 10〜12月期の出荷を国内向けと輸出に分けると、国内向けは前期比+0.7%、輸出は同+2.3%と輸出の方が確りしている。

【12月の消費は一時的に低下、堅調な雇用が消費の基調を下支え】

 国内需要の動向を見ると、12月の家計調査の実質消費支出(季調済み、以下同様)は前月比−2.9%減、12月の実質消費活動指数(日銀推計)も同−0.3%減といずれも減少した。
 一方、1月の「消費活動調査」の消費者態度指数は、8〜11月と4か月間上昇したあと、12月に5か月振りに低下したが、1月は再び上昇し、低下前の11月の水準を上回った。12月の低下が一時的だったようだ。実質賃金の前年比は、引き続き低下しているものの(図表2)、堅調な雇用環境(図表2)が消費者の態度を支えているようだ。

【設備投資関連資本財の出荷は底固い】
 設備投資のうち機械への投資の指標となる資本財(除、輸送機械)の国内総供給(国産品の国内向け出荷と輸入の合計)は、12月も前月比+4.2%と増勢を続け、10〜12月期の前期比は+5.1%と3四半期振りの大きな増加となった(図表2)。
 先行指標の機械受注(民需、除く船舶・電力)は、9月、10月と前月比+4.2%、同+7.0%とやや大きく増加した反動もあり、11月は同−11.0%の減少となった。しかし、10〜11月の平均は、7〜9月期の平均を+3.7%上回っており、緩やかな増勢は続いている。
 「日銀短観」などに見られる本年度設備投資計画の名目10%前後の増勢は、保たれていると見られる。

【輸出の立ち直りから10〜12月期は外需が成長に寄与】
 最後に外需の動向を見ると、GDP統計の「純輸出」に対応する12月の国際収支統計の「貿易・サービス収支」(季調済み、以下同じ)は、前月黒字(1678億円)の反動もあって、3960億円の赤字となった(図表2)。しかし、10〜12月期を合計すると、3853億円の赤字と前期(8324億円の赤字)の赤字を大きく下回った(図表3)。これはトランプ関税の日本および世界の輸出への悪影響もあって、本年3月以降減少傾向を辿っていた日本の輸出が、9月以降増勢に転じ、10〜12月期は前期比+4.1%の増加となったためである。
 これに伴い、10〜12月期の実質GDP統計の「純輸出」は、4四半期振りに、成長率に少なからず寄与することとなろう。