今年の民主党政権を叱る(H22.12.27)

―ある友人からの手紙―

 その後お変りなくお過ごしですか。
 その節は、大兄の著書『日本の経済針路―新政権は何をなすべきか』(岩波書店刊)をお送り下さり、有難うございました。
 併し残念なことに、そこ後の民主党の失言、失政は目を覆うものがあります。
 この夏暑さを忘れるために、藤村の『夜明け前』を読みました。大政奉還成って官軍が江戸へと東進します。木曽路を通るとき、民衆に江戸幕府で困ったことはなかったか、新政府への期待は何かを聴取していき、民衆に期待を抱かせました。
 がその後の新政府の政策は、庄屋等かつての小支配者と民衆を大きく抑圧するものでした。主人公青木半蔵が狂死することで、物語は終わりを迎えます。
 どの世も結局は同じ。ロシア革命は1300万前後の国民を殺しています。
 後期高齢者の私と妻は少ない余生ですから、今後は投票所には行かないことにしています。
 極度の無能に加え、権力意識だけは人一倍。一番困ったことは、日本をどのように良くして行こうかについて、何のメッセージも受け取れないことです。

―後略―

(鈴木[注])
 これは民主党の政権交代に期待し、一票を投じた一人の国民の悲痛な叫びである。小沢氏を排除しようとする権力闘争ばかりに夢中で、政策は自民党同様、役人に丸投げしているのではないか、と感じている国民は多い。「国民の生活が第一」という原点に立って、どういう日本を創ろうとしているのか、国民に語れる指導者は、民主党の中に一人も居ないのか。