討議資料

衆議院議員 鈴木 淑夫                                                 

何故小泉改革の元で景気が悪化するのか

国民はこれ以上景気悪化に耐えられない》

朝日新聞社が2月2日、3日に行った全国の世論調査(有効回答2414人)によると、小泉首相が構造改革を進めることで、更に景気が悪くなっても仕方がないと思う人は26%、更に景気が悪くなるのは困ると答えた人は70%に達しました。

 日本国民の大多数は、戦後最高の失業率、戦後最大の企業倒産に悩む現在の不況に危機感を抱き、これ以上の景気悪化には耐えられなくなっています。

この現状について小泉首相は、二つの言い訳をしています。

一つは、小泉改革は始まったばっかりなので、当面の不況はそのせいとうよりも、むしろITバブルの破裂など米国の景気後退によるものだ、と言う逃げ口上です。

もう一つは、構造改革は痛みを伴うので、今年はゼロ成長、来年は僅かのプラス成長、更来年にはデフレから脱却して持続的成長が始まる、というものです。

 しかし、あと2年も日本はこの不況に耐えなければ、改革は出来ないのでしょうか。

《仕組みを変えず後始末ばかりの小泉改革》

 私、鈴木淑夫はそうは思いません。小泉首相の二つの言い訳は、いずれもまちがっていると思います。

 小泉改革の内容は、日々のマスコミ報道で既に明らかですし、具体的政策は現在の通常国会に提出された来年度予算と関連法案で分かっています。その内容を知った上で、株価が一段と下落し、バブル崩壊以降の最安値を更新したのです。市場の専門家や内外の投資家は、小泉改革の内容では当分景気は悪化するばかりと考えているので株を売ってくるのです。この景気悪化は、小泉改革のせいです。

構造改革は必ず痛みを伴うので、1〜2年は我慢しろと言うのも間違いです。

正しい構造改革は、日本の仕組みを「官主導」から「民自立」へ、「閉ざされた」システムから「開かれた」システムに変え、民間や地域社会の活力を取り戻して経済と暮らしを立て直すことです。

 ところが小泉改革は、仕組みには一切手を着けず、行き当たりばったりの後始末のように国債発行と公共投資を削減し、不良債権の処理を急ぎ、国民の医療費負担を引き上げたりしています。このような後向きの抑制的な改革では、景気が悪くなるのは当たり前です。

《仕組みを変える創造的改革で景気は立直る》

国債発行や公共投資を削減するのであれば、同時に他方で、規制緩和、政府事業の民間開放、行政改革による歳出削減を財源とする所得減税などによって民間のビジネス・チャンスを創り、やる気を引出さなければなりません。それが、「官主導」から「民自立」へ仕組みを変えることであり、景気回復につながります。

 不良債権の処理を進めるのであれば、同時に他方で、株や不動産の取引を活発化させるための税制改革(配当課税や長期保有株売却益課税の引下げ、不動産取得税や、登録免許税の廃止など)を行い、民間の資金調達を容易にしなければなりません。  間接金融から直接金融へ仕組みを変えることが出来れば、金融面からも景気は立ち直ります。

医療費については、カルテ、受診票、レセプトを一枚の電子カードに収めて国民一人一人が保有する形に仕組みを変えれば、重複診療、重複投薬の無駄がなくなるので、医療費全体が2〜3割圧縮され、国民の負担率は逆に引き下げられるでしょう。そうすれば減税と同じですから国民の消費購買力が高まり、景気に好影響が及びます。

私は自由党の政策責任者として、このような前向きで創造的な改革を主張し、改革と景気の両立を目指します。

お知らせ

鈴木淑夫“景気を立ち直らせる構造改革がある”(週間東洋経済』3月2日号)がホームページ(http://www.suzuki.org 「雑誌掲載論文」欄)に転載されています。

“政官業癒着の利益誘導政治が諸悪の根源”アンケート調査結果

実施日:平成14年2月22日〜24日(回答数:Mail:4/Fax:60 пF1)(鈴木淑夫事務所)

問1.外務官僚は、短期間しか在職しない現職の大臣・田中眞紀子さんよりも、長期間影響をふるう自民党外務族議員・鈴木宗男氏の言うことに従った。それによって鈴木氏はODAにまつわる利権を利用して政治力を発揮している。族議員を中心としたこの政官業癒着の利益誘導型自民党政治こそ、日本を駄目にしている!青木氏の道路公団干渉、丹羽氏の医療改革抵抗、加藤氏の元事務所代表の入札干渉など、すべてはその例だ!

→【賛成】64        【反対】1       【どちらともいえない】0

問2.田中眞紀子さんに抵抗勢力と呼ばれた小泉首相は政官業癒着の利益誘導政治を推進する自民党勢力をかばっている。

→【思う】 56       【思わない】8    【どちらともいえない】1

問3.小泉首相が自民党を基盤とする限り、政官業癒着の利益誘導構造を崩す規制撤廃などの構造改革は骨抜きになる。         

→【思う】 54       【思わない】 6   【どちらともいえない】 5

 

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